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WordPress投稿一覧の一括操作を独自にカスタマイズする方法を徹底解説(バルクアクション)

投稿日:2025年03月07日(金)
WordPress投稿一覧の一括操作を独自にカスタマイズする方法を徹底解説(バルクアクション)|UMENOKI|すぐに仕事で使えるIT技術情報メディア

みなさんこんにちは!エンジニアの高澤です!

今回はWordPress投稿一覧の一括操作を独自にカスタマイズする方法を徹底解説していきたいと思います。

投稿一覧の一括操作(バルクアクション)は非常に便利で、選択したページを一括でデータを変更することができます。

そのため、複数のページへ特定のデータを一括で設定することはもちろん、削除することも可能なので記事の移行作業や整理などに非常に便利かと思います。

ページの編集は時間がかかる作業であり、地味にコストがかかるためなかなかバカにできません。

一括操作ができることで、圧倒的な時間短縮になり大幅にコストを下げることができるので、できる限り一括操作を自由自在に操れるようになることで、WordPressエンジニアとして非常に重宝されることと思います。

また一括操作の実装は、投稿ページのみならず固定ページやコメント機能にも実装できるということで、投稿ページ、固定ページ、コメント機能での実装方法を全て解説しております。

当記事ではこの一括操作の独自の実装方法について解説しておりますので、よろしければウェブ制作やアプリ開発、ご自身のブログやWebサイト運営などにお役立てください。

一括操作(バルクアクション)とは

一括操作(バルクアクション)とは、WordPressなどの管理画面で複数の投稿や固定ページ、コメントなどに対して一度にまとめて編集の操作を行うことができる機能のことをいいます。

編集方法としては、まず管理画面の投稿一覧の各ページのチェックボックを選択し、「一括操作」のドロップダウンメニューの「編集」を選択してから「適用」ボタンを選択します。

すると下図のように編集領域が開くので、それぞれ必要な設定や入力を行います。

例えば複数の投稿を一括で公開や下書きのステータスの設定、投稿者、カテゴリーやタグの変更などを一括で処理することができます。

最後に「更新」ボタンをクリックしたら一括で操作が実行されます。

ちなみにページを一括で削除したい場合は、ドロップダウンメニューの「ゴミ箱へ移動」を選択してから「適用」ボタンを選択すると、選択したページが一括で削除されます。

これにより、いちいち個別に操作する手間が省け、効率的にサイトの管理ができます。特に大量の投稿(記事ページ)や固定ページなどを扱う場合に役立つ機能といえます。

投稿ページの一括操作の実装方法

それでは早速、投稿ページの一括操作の実装方法について解説いたします。

解説する手順通りに進めていただければ、無理なく簡単に実装できますのでご安心ください。

実装する内容としては、投稿ページに一つテキストデータのカスタムフィールドを追加して保存できるようにします。

投稿一覧画面にカスタムフィールドのカラムを追加

まずは投稿一覧画面にカスタムフィールドのカラムを追加してデータを閲覧できるようにしましょう。

以下のコードをfunctions.phpにコピー&ペーストしてください。

<?php
// カスタムアクション実行後の処理結果確認用

function add_custom_column($columns) {
    $columns['custom_meta'] = 'カスタムフィールド'; // 列名を指定
    return $columns;
}
add_filter('manage_edit-post_columns', 'add_custom_column');

function show_custom_column_content($column_name, $post_id) {
    if ($column_name === 'custom_meta') {
        $value = get_post_meta($post_id, '_custom_meta_key', true);
        echo esc_html($value ? $value : '-');
    }
}
add_action('manage_posts_custom_column', 'show_custom_column_content', 10, 2);

ペーストしていただいたら、投稿一覧ページをご確認ください。

すると、下図のように「カスタムフィールド」という名目で1カラム分追加されていることが確認できるかと思います。

これで、記事ページごとに保存されているカスタムフィールドのデータ(値)を一目でわかるようになりました。

投稿ページの一括操作の独自の処理を実装

次は、投稿ページの一括操作の独自機能を実装していきたいと思います。

イメージとしては、下図のように一括操作のドロップダウンメニューに「カスタムアクション」を追加し、「適用」ボタンをクリックしたら独自の処理が実行されるようにします。

それでは、以下のコードをfunctions.phpにコピー&ペーストしてください。

<?php
// カスタムアクションの追加(パターン1)

function custom_bulk_action($bulk_actions) {
    $bulk_actions['custom_action'] = 'カスタムアクション'; // 表示される名前
    return $bulk_actions;
}
add_filter('bulk_actions-edit-post', 'custom_bulk_action');

function handle_custom_bulk_action($redirect_url, $action, $post_ids) {
    if ($action !== 'custom_action') {
        return $redirect_url;
    }

    foreach ($post_ids as $post_id) {
        // ここでカスタム処理を実行(例: カスタムフィールドを更新)
        update_post_meta($post_id, '_custom_meta_key', '9999');
    }

    // 処理完了後にトランジェントを設定(成功メッセージ用)
    set_transient('custom_action_done', count($post_ids), 30);  // 30秒間有効

    // 成功メッセージ付きでリダイレクト
    $redirect_url = add_query_arg('custom_action_done', count($post_ids), $redirect_url);
    return $redirect_url;
}
add_filter('handle_bulk_actions-edit-post', 'handle_custom_bulk_action', 10, 3);

function custom_bulk_action_admin_notice() {
    // トランジェントが設定されていれば通知を表示
    if (get_transient('custom_action_done')) {
        $count = get_transient('custom_action_done');
        echo "<div class='updated notice is-dismissible'><p>{$count} 件の投稿にカスタムアクションを適用しました。</p></div>";

        // 通知表示後にトランジェントを削除
        delete_transient('custom_action_done');
    }
}
add_action('admin_notices', 'custom_bulk_action_admin_notice');

上記コードについて解説いたします。

上記コードでは、いくつかのフック(WordPressの特定の処理が行われるタイミングで実行される関数)を使用しています。

まず、bulk_actions-edit-postフックを使用して、投稿一覧の一括操作メニューに「カスタムアクション」を追加しています。

次に、handle_bulk_actions-edit-postフックを使って、選択された投稿に対してカスタム処理を実行します。この処理を行っている関数は独自に定義したhandle_custom_bulk_action()関数で、選択された投稿にカスタムフィールドを追加する処理が行われます。

最後に、admin_noticesフックを使って、処理が完了した後に管理画面の通知エリアに成功メッセージを表示します。

このように、フックと関数を組み合わせることで、WordPressの管理画面でカスタムアクションの追加や実行後の処理を簡単に実装しています。

ペーストが完了したら、実際に一括操作をしてみましょう。

一括操作のドロップダウンメニューの「カスタムアクション」を選択して、「適用」ボタンをクリックしてください。(この時事前に各ページのチェックボックスを選択しておきましょう)

すると、下図のようにすべての記事ページに「9999」という数字がカスタムフィールドとして保存されているのが確認できるかと思います。

これで一括操作の実装は完了です。お疲れ様でした!

ちなみに追加するカスタムフィールドのデータ(値)は以下の箇所のupdate_post_meta()関数の第3引数「9999」の部分を変更することで、ご自身のお好きなデータを追加できるようになります。

        // ここでカスタム処理を実行(例: カスタムフィールドを更新)
        update_post_meta($post_id, '_custom_meta_key', '9999');

ここで解説したコードをうまいことカスタマイズして使っていただければ、作業を効率化させることが可能かと思います。

今回はテキストデータのカスタムフィールドでしたが、後でご自身で応用させてテキストエリアやチェックボックス、ラジオボタンや画像などやろうと思えばさまざまなデータ形式に対応してカスタマイズできます。

投稿日や更新日、カテゴリーや執筆者など(すでに機能は備わってますが…笑)も処理することができるので、ぜひご自身でカスタマイズしてみてください。

固定ページの一括操作の実装方法

固定ページの一括操作の実装方法について解説いたします。

先ほどは投稿ページの実装方法を解説いたしましたが、固定ページもほぼほぼソースコード自体に違いはありません。フック名などにちょっとした違いがあるぐらいでしょうか。

投稿ページと同じような形で実装することができるので、安心して手順通りに進めてみてください。

固定ページ一覧画面にカスタムフィールドのカラムを追加

まずは固定ページ一覧画面にカスタムフィールドのカラムを追加してデータを閲覧できるようにしましょう。

以下のコードをfunctions.phpにコピー&ペーストしてください。

<?php
// 固定ページ一覧にカスタムカラムを追加

function add_custom_column_for_pages($columns) {
    $columns['custom_meta'] = 'カスタムフィールド'; // 列名を指定
    return $columns;
}
add_filter('manage_edit-page_columns', 'add_custom_column_for_pages');

// 固定ページのカスタムカラムにデータを表示
function show_custom_column_content_for_pages($column_name, $post_id) {
    if ($column_name === 'custom_meta') {
        $value = get_post_meta($post_id, '_custom_meta_key', true);
        echo esc_html($value ? $value : '-');
    }
}
add_action('manage_pages_custom_column', 'show_custom_column_content_for_pages', 10, 2);

ペーストしていただいたら、固定ページ一覧のページをご確認ください。

すると、下図のように「カスタムフィールド」という名目で1カラム分追加されていることが確認できるかと思います。

これで、各固定ページごとに保存されているカスタムフィールドのデータ(値)を一目でわかるようになりました。

固定ページの一括操作の独自の処理を実装

次は、固定ページの一括操作の独自機能を実装していきたいと思います。

イメージとしては、下図のように一括操作のドロップダウンメニューに「カスタムアクション」を追加し、「適用」ボタンをクリックしたら独自の処理が実行されるようにします。

それでは、以下のコードをfunctions.phpにコピー&ペーストしてください。

<?php
// カスタムアクションの追加(固定ページ用)
function custom_bulk_action_for_pages($bulk_actions) {
    $bulk_actions['custom_action'] = 'カスタムアクション'; // 表示される名前
    return $bulk_actions;
}
add_filter('bulk_actions-edit-page', 'custom_bulk_action_for_pages');

// カスタムアクションの処理(固定ページ用)
function handle_custom_bulk_action_for_pages($redirect_url, $action, $post_ids) {
    if ($action !== 'custom_action') {
        return $redirect_url;
    }

    foreach ($post_ids as $post_id) {
        // ここでカスタム処理を実行(例: カスタムフィールドを更新)
        update_post_meta($post_id, '_custom_meta_key', '9999');
    }

    // 処理完了後にトランジェントを設定(成功メッセージ用)
    set_transient('custom_action_done', count($post_ids), 30);  // 30秒間有効

    // 成功メッセージ付きでリダイレクト
    $redirect_url = add_query_arg('custom_action_done', count($post_ids), $redirect_url);
    return $redirect_url;
}
add_filter('handle_bulk_actions-edit-page', 'handle_custom_bulk_action_for_pages', 10, 3);

// カスタムアクションの完了通知(固定ページ用)
function custom_bulk_action_admin_notice_for_pages() {
    // トランジェントが設定されていれば通知を表示
    if (get_transient('custom_action_done')) {
        $count = get_transient('custom_action_done');
        echo "<div class='updated notice is-dismissible'><p>{$count} 件の固定ページにカスタムアクションを適用しました。</p></div>";

        // 通知表示後にトランジェントを削除
        delete_transient('custom_action_done');
    }
}
add_action('admin_notices', 'custom_bulk_action_admin_notice_for_pages');

上記コードについて解説いたします。

上記コードでは、固定ページに対して一括操作(バルクアクション)を追加し、その後に処理結果を通知するためにいくつかのフックと関数を使用しています。

まず、bulk_actions-edit-pageフックを使って、固定ページの一括操作メニューに「カスタムアクション」を追加しています。

次に、handle_bulk_actions-edit-pageフックを使って、選択された固定ページに対してカスタム処理を実行します。この処理を行っている関数は独自に定義したhandle_custom_bulk_action_for_pages()関数で、選択された固定ページにカスタムフィールドを追加する処理が行われます。

最後に、admin_noticesフックを使って、処理が完了した後に管理画面の通知エリアに成功メッセージを表示します。

これらのフックと関数を組み合わせることで、固定ページに対して一括操作を行った結果を管理画面で確認できるようになります。

ペーストが完了したら、実際に一括操作をしてみましょう。

一括操作のドロップダウンメニューの「カスタムアクション」を選択して、「適用」ボタンをクリックしてください。(この時事前に各ページのチェックボックスを選択しておきましょう)

すると、下図のようにすべての固定ページに「9999」という数字がカスタムフィールドとして保存されているのが確認できるかと思います。

これで固定ページの一括操作の実装は完了です。お疲れ様でした!

ちなみに投稿ページの時と同様に、追加するカスタムフィールドのデータ(値)は以下の箇所のupdate_post_meta()関数の第3引数「9999」の部分を変更することで、ご自身のお好きなデータを追加できるようになります。

        // ここでカスタム処理を実行(例: カスタムフィールドを更新)
        update_post_meta($post_id, '_custom_meta_key', '9999');

ここで解説したコードをうまいことカスタマイズして使っていただければ、作業を効率化させることが可能かと思います。

コメントの一括操作の実装方法

コメントの一括操作の実装方法について解説いたします。

ここまで投稿ページ・固定ページの実装方法を解説いたしましたが、コメント機能もソースコードは大体同じです。

ただ、コメントに関してはフック名に多少の違いがあるのはもちろん、update_comment_meta()関数やget_comment_meta()関数などコメント独自のテンプレートタグなどが出てきますので、その点に注意してください。

コメント一覧画面にカスタムフィールドのカラムを追加

まずはコメント一覧画面にカスタムフィールドのカラムを追加してデータを閲覧できるようにしましょう。

以下のコードをfunctions.phpにコピー&ペーストしてください。

<?php
// コメント一覧にカスタムカラムを追加

function add_custom_comment_column($columns) {
    $columns['custom_meta'] = 'カスタムフィールド';  // カスタムカラムの名前を設定
    return $columns;
}
add_filter('manage_edit-comments_columns', 'add_custom_comment_column');

// カスタムカラムにデータを表示
function show_custom_comment_column_data($column, $comment_id) {
    if ($column === 'custom_meta') {
        // 例として、コメントに関連するカスタムメタデータを表示
        $custom_value = get_comment_meta($comment_id, '_custom_meta_key', true);
        echo $custom_value ? $custom_value : '-';  // メタデータが存在しない場合は「なし」を表示
    }
}
add_action('manage_comments_custom_column', 'show_custom_comment_column_data', 10, 2);

ペーストしていただいたら、コメント一覧のページをご確認ください。

すると、下図のように「カスタムフィールド」という名目で1カラム分追加されていることが確認できるかと思います。

これで、各コメントごとに保存されているカスタムフィールドのデータ(値)を一目でわかるようになりました。

コメントの一括操作の独自の処理を実装

次は、コメントの一括操作の独自機能を実装していきたいと思います。

イメージとしては、下図のように一括操作のドロップダウンメニューに「カスタムアクション」を追加し、「適用」ボタンをクリックしたら独自の処理が実行されるようにします。

それでは、以下のコードをfunctions.phpにコピー&ペーストしてください。

<?php
// コメントに対するバルクアクションを追加
function custom_bulk_action_comments($bulk_actions) {
    $bulk_actions['custom_action'] = 'カスタムアクション'; // 表示される名前
    return $bulk_actions;
}
add_filter('bulk_actions-edit-comments', 'custom_bulk_action_comments');

// コメントに対するカスタムバルクアクションの処理
function handle_custom_bulk_action_comments($redirect_url, $action, $comment_ids) {
    if ($action !== 'custom_action') {
        return $redirect_url;
    }

    foreach ($comment_ids as $comment_id) {
        // ここでコメントに対するカスタム処理を実行(例: コメントのカスタムフィールドを更新)
        update_comment_meta($comment_id, '_custom_meta_key', '9999');
    }

    // 処理完了後にトランジェントを設定(成功メッセージ用)
    set_transient('custom_action_done', count($comment_ids), 30);  // 30秒間有効

    // 成功メッセージ付きでリダイレクト
    $redirect_url = add_query_arg('custom_action_done', count($comment_ids), $redirect_url);
    return $redirect_url;
}
add_filter('handle_bulk_actions-edit-comments', 'handle_custom_bulk_action_comments', 10, 3);

function custom_bulk_action_admin_notice() {
    // トランジェントが設定されていれば通知を表示
    if (get_transient('custom_action_done')) {
        $count = get_transient('custom_action_done');
        echo "<div class='updated notice is-dismissible'><p>{$count} 件の投稿にカスタムアクションを適用しました。</p></div>";

        // 通知表示後にトランジェントを削除
        delete_transient('custom_action_done');
    }
}
add_action('admin_notices', 'custom_bulk_action_admin_notice');

上記コードについて解説いたします。

このコードは、WordPressのコメントに対して一括操作(バルクアクション)を追加し、その後に処理結果を通知するものです。

最初に、bulk_actions-edit-commentsフックを使用して、コメント一覧に「カスタムアクション」を追加しています。このフックで実行している関数は、コメント一覧で表示される一括操作メニューに「カスタムアクション」を追加します。

次に、handle_bulk_actions-edit-commentsフックを使用して、選択されたコメントに対してカスタム処理を実行します。具体的には、選択されたコメントに「 _custom_meta_key」というカスタムフィールドを追加し、その値を「9999」に更新しています。

この処理を行っている関数は独自に定義したhandle_custom_bulk_action_comments()関数です。この処理後、成功メッセージ用にトランジェントを設定し、処理件数をリダイレクトURLに追加します。

最後に、admin_noticesフックを使って、処理が完了した後に管理画面に通知を表示します。この通知は、トランジェントに保存された件数を基に表示され、表示後にトランジェントは削除されます。

このコードによって、コメントに対して一括操作を行い、その結果を管理画面に通知することができます。

ペーストが完了したら、実際に一括操作をしてみましょう。

一括操作のドロップダウンメニューの「カスタムアクション」を選択して、「適用」ボタンをクリックしてください。(この時事前にコメントのチェックボックスを選択しておきましょう)

すると、下図のようにすべての固定ページに「9999」という数字がカスタムフィールドとして保存されているのが確認できるかと思います。

これでコメントの一括操作の実装は完了です。お疲れ様でした!

ちなみに追加するカスタムフィールドのデータ(値)は、以下の箇所のupdate_post_meta()関数の第3引数「9999」の部分を変更することで、ご自身のお好きなデータを追加できるようになります。

        // ここでコメントに対するカスタム処理を実行(例: コメントのカスタムフィールドを更新)
        update_comment_meta($comment_id, '_custom_meta_key', '9999');

ここで解説したコードをうまいことカスタマイズして使っていただければ、作業を効率化させることが可能かと思います。

データを入力できる形で独自の一括操作機能の実装方法

最後に、データを入力できる形で独自の一括操作機能の実装方法について解説いたします。

これまでに解説してきた実装方法は、いずれもソースコード側だけでデータの処理などを実装してきました。

ただこのままだと、エンジニアが扱う分には問題ないですが、ブロガーさんやウェブ担当者の方など、プログラム知識がない方は扱えなくなってしまいます。

そのため、一括操作においてどんな人でも扱えるようにするため、ここではデータを入力できる形で実装する方法について解説したいと思います。

実装イメージとしては、下図のようなデータ入力のポップアップをJavaScriptコードで実装し、データを入力して「OK」をクリックしたらデータが更新されるようにします。

とにもかくにも、まずは実装してしまいましょう。

投稿一覧画面にカスタムフィールドのカラムを追加

まずは投稿一覧画面にカスタムフィールドのカラムを追加してデータを閲覧できるようにしましょう。

以下のコードをfunctions.phpにコピー&ペーストしてください。

<?php
// カスタムアクション実行後の処理結果確認用

function add_custom_column($columns) {
    $columns['custom_meta'] = 'カスタムフィールド'; // 列名を指定
    return $columns;
}
add_filter('manage_edit-post_columns', 'add_custom_column');

function show_custom_column_content($column_name, $post_id) {
    if ($column_name === 'custom_meta') {
        $value = get_post_meta($post_id, '_custom_meta_key', true);
        echo esc_html($value ? $value : '-');
    }
}
add_action('manage_posts_custom_column', 'show_custom_column_content', 10, 2);

ペーストしていただいたら、投稿一覧ページをご確認ください。

すると、下図のように「カスタムフィールド」という名目で1カラム分追加されていることが確認できるかと思います。

これで、記事ページごとに保存されているカスタムフィールドのデータ(値)を一目でわかるようになりました。

入力できる形で投稿ページの一括操作の独自の処理を実装

次は、入力できる形で投稿ページの一括操作の独自機能を実装していきたいと思います。

イメージとしては、下図のように一括操作のドロップダウンメニューに「カスタムアクション(値を設定)」を追加し、「適用」ボタンをクリックしたらデータを入力できるJavaScriptのポップアップが表示され、「OK」ボタンをクリックしたら入力フィールドに入力したデータが保存される独自の処理が実行されるようにします。

それでは、以下のコードをfunctions.phpにコピー&ペーストしてください。

<?php
// カスタムアクションの追加(パターン2)

function custom_bulk_action($bulk_actions) {
    $bulk_actions['custom_action'] = 'カスタムアクション(値を設定)';
    return $bulk_actions;
}
add_filter('bulk_actions-edit-post', 'custom_bulk_action');

function custom_bulk_action_admin_notice() {
    // トランジェントが設定されていれば通知を表示
    if (get_transient('custom_action_done')) {
        $count = get_transient('custom_action_done');
        echo "<div class='updated notice is-dismissible'><p>{$count} 件の投稿にカスタムアクションを適用しました。</p></div>";

        // 通知表示後にトランジェントを削除
        delete_transient('custom_action_done');
    }
}
add_action('admin_notices', 'custom_bulk_action_admin_notice');

function handle_custom_bulk_action($redirect_url, $action, $post_ids) {
    if ($action !== 'custom_action') {
        return $redirect_url;
    }

    // カスタムフィールドの値を取得して投稿を更新(省略)
    if (!empty($_REQUEST['custom_action_value'])) {
        $custom_value = sanitize_text_field($_REQUEST['custom_action_value']);

        foreach ($post_ids as $post_id) {
            update_post_meta($post_id, '_custom_meta_key', $custom_value);
        }
    }

    // 処理完了後にトランジェントを設定(成功メッセージ用)
    set_transient('custom_action_done', count($post_ids), 30);  // 30秒間有効

    // 成功メッセージ付きでリダイレクト
    $redirect_url = add_query_arg('custom_action_done', 1, $redirect_url);
    return $redirect_url;
}
add_filter('handle_bulk_actions-edit-post', 'handle_custom_bulk_action', 10, 3);

function custom_bulk_edit_scripts($hook) {
    if ($hook !== 'edit.php') {
        return;
    }

    $script = "
    jQuery(document).ready(function ($) {
        let form = $('form#posts-filter');

        form.submit(function (event) {
            let action = $('select[name=\"action\"]').val();
            let action2 = $('select[name=\"action2\"]').val();

            // 上部・下部どちらのアクションでも動作するようにする
            if (action === 'custom_action' || action2 === 'custom_action') {
                let customValue = prompt('カスタムフィールドの値を入力してください:');
                
                if (customValue === null || customValue.trim() === '') {
                    event.preventDefault(); // キャンセルされたら送信しない
                    return;
                }

                // すでに hidden input がある場合は削除
                $('input[name=\"custom_action_value\"]').remove();

                // hidden input を追加
                $('<input>').attr({
                    type: 'hidden',
                    name: 'custom_action_value',
                    value: customValue
                }).appendTo(form);
            }
        });
    });
    ";

    wp_add_inline_script('jquery', $script);
}
add_action('admin_enqueue_scripts', 'custom_bulk_edit_scripts');

上記コードについて解説いたします。

上記コードは、WordPressの投稿一覧で一括操作(バルクアクション)を追加し、ユーザーが入力した値をカスタムフィールドに保存する機能を実装しています。

まず、bulk_actions-edit-postフックを使用して「カスタムアクション(値を設定)」を追加します。

次に、admin_enqueue_scriptsフックを利用してJavaScriptを埋め込み、一括操作時に値を入力するプロンプト(入力フォームのあるポップアップ)を表示し、その値をhiddenとしてフォームに追加します。

そして、handle_bulk_actions-edit-postフックで選択された投稿のカスタムフィールドを更新し、処理結果をトランジェントに保存します。最後に、admin_noticesフックを使い、処理件数の通知を表示し、完了後にトランジェントを削除します。

ペーストが完了したら、実際に一括操作をしてみましょう。

一括操作のドロップダウンメニューの「カスタムアクション(値を設定)」を選択して、「適用」ボタンをクリックしてください。(この時事前に各ページのチェックボックスを選択しておきましょう)

すると、下図のようにデータ入力用のポップアップが表示されます。

入力フィールドに「1234」と入力し、「OK」ボタンをクリックしてください。

すると、下図のようにすべての記事ページに「1234」という数字がカスタムフィールドとして保存されているのが確認できるかと思います。

これで入力できる形での一括操作の実装は完了です。お疲れ様でした!

一括操作でエラーになってしまう対処法

一括操作でエラーになってしまう対処法について簡単に触れておきたいと思います。

もしかしたら、一括操作(バルクアクション)を実行したときに、エラーになって処理されないという事態が起こってしまった方もいらっしゃるかもしれません。

バルクアクションが動作しない原因には、そもそも大量のデータを処理していることによって容量が追いついていないことと、それに付随してPHPの設定が関係している場合があります。

主な原因として、max_input_varsの制限、post_max_sizeやupload_max_filesizeの制限、タイムアウト制限(max_execution_time)、メモリ制限(memory_limit)があります。

これらの設定が不十分だと、大量のデータを処理する際にエラーが発生することがあります。また、プラグインやテーマの競合、JavaScriptのエラーも原因となることがあります。

これらを確認し、適切な設定を行うことで問題を解決できます。

まとめ

今回の記事では、WordPressの投稿一覧における一括操作(バルクアクション)のカスタマイズ方法について解説しました。

一括操作を活用することで、複数のページやコメントを一括で変更・削除でき、作業の効率化が図れます。特に、大量の投稿やデータを扱う際には、手作業での編集に比べて大幅な時間短縮とコスト削減が可能になります。

また、投稿ページだけでなく、固定ページやコメント機能にも応用できるため、WordPressエンジニアとしてのスキル向上にも役立ちます。

今回の内容を活かして、ウェブ制作やブログ運営の効率化や、コスト削減などにお役立ていただけましたら幸いです。

執筆者

UMENOKI編集部 高澤 翔汰

歴5年目(2024年8月以降から5年目です)のエンジニアです!
CMSでのサイト構築とWebデザイン制作を兼任して5年目になります。
自作のiOSアプリ(iPhoneアプリ)やWordPressプラグインを開発することもあり、まだまだ現在進行形で勉強中です!

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