経済学入門！寡占市場とは？エンジニアが経済についてわかりやすく解説

こんにちは！エンジニアの高澤です！

筆者はエンジニアではありますが、日頃経済について意識して仕事をすることの大切さを実感していたり、大学では政治経済学科を専攻していたこともあり、皆様の人生に少しでもお役に立てればと思い執筆いたしましたので、技術などの学習の息抜きとしてもご覧いただけましたら幸いです！

今日は経済学の基本的な概念の一つ、「寡占市場」についてお話しします。

寡占市場って何？

寡占市場とは、少数の企業が市場を支配している状態のことです。具体的には、数社だけが市場で大きなシェアを持ち、価格や生産量に大きな影響を与えます。この市場構造の特徴は、数社の間で激しい競争が繰り広げられることが多いという点です。

寡占市場ができる理由

寡占市場が形成される理由はいくつかあります。

• 規模の経済：
  大規模な生産を行うことでコストを削減できるため、大企業が市場を支配するようになります。新しい企業が参入しにくくなるのも特徴です。
  例：自動車産業や航空産業などは、大規模な生産設備が必要なため、少数の大企業が市場を支配しています。
• 技術力とブランド力：
  技術力が高く、ブランド力を持つ企業が市場を支配することがあります。
  例：スマートフォン市場では、AppleやSamsungが強いブランド力と技術力を持ち、寡占状態を形成しています。
• 参入障壁：
  新しい企業が市場に参入するのを難しくする障壁が存在します。これには、巨額の投資が必要な場合や、既存企業が特許を多く保有している場合などがあります。
  例：薬品市場では、特許や研究開発費が高額なため、少数の大企業が市場を支配しています。

寡占市場の特徴

寡占市場には以下のような特徴があります。

• 価格の相互依存：
  寡占市場では、各企業が他の企業の価格設定を考慮しながら自社の価格を決定します。価格競争が激しくなることが多いです。
  例：ガソリンスタンド市場では、近隣のスタンドの価格を見て自社の価格を設定することが一般的です。
• 広告戦略：
  寡占市場では、企業が市場シェアを拡大するために広告戦略に力を入れます。ブランドイメージを強化し、消費者の関心を引きつけることが重要です。
  例：スマートフォン市場では、AppleやSamsungがテレビ広告やインターネット広告を通じてブランドイメージを強化しています。
• 非価格競争：
  価格以外の要素で競争が行われることが多いです。製品の品質、デザイン、アフターサービスなどが重要な競争要素となります。
  例：自動車市場では、各社が性能やデザイン、アフターサービスなどで競い合っています。

寡占市場の具体例

以下に寡占市場の具体例をいくつか挙げます。

• 航空産業：
  世界的な航空市場では、BoeingとAirbusの2社が市場を支配しています。他の企業も存在しますが、シェアは圧倒的にこの2社に集中しています。
• ソフトドリンク市場：
  コカ・コーラとペプシコーラが主要なシェアを持つ市場です。両社は広告戦略や新製品の開発で競争を続けています。
• 通信市場：
  多くの国で、数社の大手通信企業が市場を支配しています。これらの企業は、価格競争だけでなくサービスの品質やカバーエリアの広さでも競い合っています。

寡占市場のメリットとデメリット

寡占市場のメリットは以下になります。

• 安定した市場：
  少数の企業が市場を支配しているため、価格が安定しやすくなります。企業は長期的な計画を立てやすくなります。
  例：通信市場では、サービスの質が一定水準以上に保たれ、安定した価格が維持されることが多いです。
• イノベーションの促進：
  企業間の競争が激しいため、新しい技術や製品が生まれやすくなります。
  例：スマートフォン市場では、各社が新しい技術を取り入れた製品を次々に発表しています。

寡占市場のデメリットは以下になります。

• 高価格：
  競争が制限されているため、価格が高く設定されることがあります。消費者は高い価格を支払わなければならない場合があります。
  例：航空産業では、競争が少ないため、航空券の価格が高くなることがあります。
• 新規参入の難しさ：
  市場に新しい企業が参入するのが難しいため、競争が限定されます。これにより、消費者の選択肢が減ることがあります。
  例：薬品市場では、新しい企業が参入するのが難しく、少数の企業が市場を支配しています。

まとめ

寡占市場とは、少数の企業が市場を支配している市場のことです。規模の経済、技術力、ブランド力、参入障壁などが形成要因となります。寡占市場の特徴としては、価格の相互依存、広告戦略、非価格競争などがあります。メリットとしては安定した市場とイノベーションの促進があり、デメリットとしては高価格と新規参入の難しさがあります。

経済の基礎知識として、寡占市場の仕組みを理解することは重要です。少しずつ学びながら、経済についての知識を深めていきましょう！